2010年1月14日木曜日

自分の人生を「物語る」ことの効用

エホバの証人になった人々が抱える問題例

組織を離れた人々がその後に共通に持つ一般的な問題として、次のようなものが考えられます。
1. 経済的な問題

* 社会人としての経験がない自分を誰が雇ってくれるのか。
* 自分で事業を始める可能性についてはどうか。
* 親の面倒をどうやってみていったらいいのか。
* エホバの証人の親から離れて、どうやって生活していけばよいのだろうか。

2. 感情的な問題

* 自分で、はっきり把握しきれないこの罪悪感、不安感はどこから来るのか。
* 「終わりが近い」と教え込まれてきたため、辞めた今でも厭世感にさいなまれ、将来について考えることができない。
* エホバの証人だったためにできなかったこと、あきらめざるを得なかった夢のことを思うと、悔しくてたまらない。

3. 社会との関わり方の問題

* エホバの証人として育てられたため、一般常識が身についていない(誕生日はどう祝うのか。年賀状はどう書いたらいいのか)。
* 友人を取り戻せるか、あるいはどのように新たに作っていけるか。
* 証人以外の人々と、どう接すればいいか分からない。

4. 聖書、またキリスト教に対する姿勢の問題

* キリスト教に対してどんな態度を、あるいはどの程度の距離をとるべきか。
* 改めてどこか教会(宗教)を探すべきなのか。
* 果たしてキリスト教に対し「真理」を求めて良いものなのか。

5. 進学の問題

* 年を喰ってしまったが、進学すべきだろうか、するとすればどんな選択肢があるのか。
* 現在の入試制度はどうなっているのか、どのように準備ができるか。
* 卒業後にどんなビジョンが描けるか。

6. 結婚の問題

* どのように配偶者を探せるか。
* 既にあまり若くはない自分を相手にしてくれる人がいるか。
* 特殊な環境で育てられた自分を、受け入れてくれる人がいるのか。

7. 配偶者や子供、親との関係の問題

* まだ組織にとどまっている親と、どう接したらよいか。
* 今まで、子供や夫(妻)に対して誤った対応をしてきてしまった、関係を修復できるか。

8. 老後の問題

* 年を取ってしまったが、既に世話をしてくれる人がいない。どのようにして暮らしていけるか。

少し考えただけでも、これほどの切実な問題があります。やめた方々の大半は、これらの問題を一つではなく、複数抱えて新しい生活に対処していかなければならない状況ではないかと思います。たいていは問題が複雑です。誰かが先生、あるいは回答者として扱うことができるような性質のものではないだろうと思います。このメーリングリストでは、誰かが「教え手」として「助言を与える」のではなく、お互いに経験や知恵を提供しあうことができれば幸いです。

もしご自身が持たれている問題が明確で、上の分類のどれかにきれいに当てはまるようでしたら、あらかじめ「私が聞きたいのはこのこと」と断りを入れて書き込んで下されば、他の方が返答しやすいかもしれません。しかし、流される情報に対し、過度な期待を寄せないようにしてください。
自分の人生を「物語る」ことの効用

特に聞きたいことがあるわけではなく、今までの経験を話したい、という方もおありかと思います。基本的には、いくらでも述べて下さって結構です。人は誰でも、「現在自分がどうしてこうなっているのか」ということに対して、そうならざるを得なかった理由を説明できなければ、過去を十分精算することは難しいだろうと思います。特に言語化することによって、はっきりとそのことを意識する作業は、これからの人生を建設的に立て直すために不可欠ではないかと感じます。ですから、あなたがある過去に関して、どうして別の選択肢を選ばなかったのか、あるいは選べなかったのかということを整理するためにこのメーリングリストを利用していただくことは、とりわけ大歓迎なのです。その経験を聞く人たちにとっても、それは非常に意義深いことです。むしろこのことは、何かの質問を誰かにぶつけることよりもずっと優先されることと言えます。ぜひあなたの「今まで」を物語ってください。

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